先月は、近々発売予定のオリジナルCDの最終作業がいろいろあった。
ライナーノーツの校正やジャケット写真の撮影など、慣れない作業だったのと自己PRという全く不得手な分野ということで、精神的にガッツリ疲れた。
自分の作品が世の中に出るという事は、音楽を生業とするミュージシャンにとって最高の喜びだ。
これ以上ないほどの幸運な状況に、なんで私はガッツリ疲れてるんだ?
おろおろ落ち着かないのはどうして?
例によってまた(笑)、考えてみた。
Jazzの仕事を始めて間もない頃、高田馬場のライブハウスで佐山雅弘さんのピアノトリオを初めて聞いた。
「世界最高のピアニストの演奏をお送りします!」
ライブ冒頭、佐山氏が胸を張ってこう言ったので、私は椅子から転げ落ちそうになった。え、自分で言っちゃうんだ、、。
でも、本当に、その夜の演奏は素晴らしかった!
「あぁ、私は今、世界最高の演奏を聴いているのだ、、。」感激はひとしおだった。
後で、そのMCは氏がライブで毎回言うルーティンギャグだと知らされたのだが、感激が冷めるどころかむしろ、”プロの演奏家はこうあるべし”という訓示を頂いたような気がして、心が引き締まる思いがした。
( 佐山雅弘さんは2018年11月14日に亡くなられました。心からご冥福をお祈りします。)
この時の貴重な訓示がその後の演奏活動に生かされたかというと、残念ながらそんなことは一度もなかった。
そもそも佐山さんとは技術レベルが違い過ぎるのだし、心構えとして持っておくとしても身の程を知るという意味では当然だったと思う。
でも、もしかして、そこらへんに私の”おろおろ”の原因はあるのかな、と思い至った。
***Part2に続く***
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ぅぉ (日曜日, 21 5月 2023 22:48)
びっくり
日本人は、実るほど頭を垂れる稲穂かな 的な思考をしそうですが
私は、リーナス・トーバルズのこのネタがすき
https://twitter.com/shigetaka256/status/469062321176727552
michiko (月曜日, 22 5月 2023 06:12)
音楽や絵とかやる人は、あんまり日本人的ではないかも(笑)。