お盆も近いからか、去年の秋、三鷹の禅林寺にお墓参りをしたことを思い出した。
その日は三鷹のライブハウスでイベントがあって、午前中からお店のリハーサルに出掛けた。
無事リハーサルが終わって、みんなでお昼を食べて本番までずいぶん時間が空いたので、私はずっと前から思っていた”禅林寺のお墓参り”を決行することにした。
決行とか大げさな、と思うかもしれないが、森鴎外ファンにとって三鷹・禅林寺は特別な聖地である。
鷗外は60歳で亡くなり、禅林寺に葬られた。
『墓ハ森林太郎(鷗外の本名)墓ノ外一字モホルベカラズ』と遺言し、宮内省や陸軍などの官憲による栄典を一切拒否した。
時々、森鴎外は権力組織の中にあって地位に執着した人、なんて言う方々がいてびっくりする。
まぁ、どこからそういう説が出てくるのかおおよそ想像はつくが、鷗外の生涯をいろいろ読み知っていると、反論するのもばからしいくらいの大きな誤解だ。
鷗外研究で、死に臨んだ彼が、強固に官憲威力の容喙を拒んだということは一つのテーマである。
彼は一人の私人としてあの世に旅立った。
鷗外のお墓に詣でることは、ファンにとってこれは儀式に近い。
時間あいたからちょいと行ってくるわってレベルの話じゃないのだ。
この日も行こうか行くまいか、少しく迷った。
時間的に可能であっても精神的にどうかということであり、 行くからにはそれなりの心構えと準備が必要とかいう、非常に複雑なファン心理である(笑)。
そして、鷗外のお墓はたくさんの文献で写真付きで紹介されているので、まだ一度も行ったことがないのにすっかり馴染みの場所になっているというのも、今まで足が向かなかった理由の一つだ。
ともかくこの日は、本格的なお墓参りの為のリサーチ兼リハーサルってことで自分を納得させて、”決行”に及んだわけだった。
***Part2に続く***
コメントをお書きください
ぅぉ (水曜日, 08 8月 2018 00:38)
をぉ~ 聖地巡礼ですな!
michiko (日曜日, 12 8月 2018 21:30)
そ〜なんですよ、聖地巡礼なんですよ!
分かってもらえてうれしいっす ^ ^