『やさしい』

あるインターネット番組を見ていたら、中国から日本に帰化した人気論客・石平さんが面白い事を言っていた。

 

「中国語には、日本語の『やさしい』に該当する言葉がないんです。」

 

石平さんが大学生だった頃、後輩の中国人女性から恋愛相談をされた。

彼女は日本人男性と交際していたのだが、彼の性格を石平さんに説明しようとして、それまでずっと中国語で話していたのに突然、『やさしい』という言葉だけ日本語で言ったそうだ。

彼女は、『やさしい』を表す中国語の単語をとっさに見つけられなかったのだ。和中辞典を調べると、『やさしい』の項には沢山の説明がつくらしい。それもとても良い意味の単語がズラリと並ぶ。

 

「『やさしい』は、中国人にとってもの凄く”徳がある”という事です。

日本人は『やさしい』人が多い。つまり、日本は人徳者ばっかりという事ですわなぁ(笑)。」

日本人の長所を褒めてもらって良い気になったので、ライブハウスでこの話をみんなに披露した。

すると誰かが、「欧米社会は契約社会だからやさしくないですよ~。これはこう決めたのだから絶対にダメ!とかね。」と、過去の経験を思い出すように言った。

ふ~ん、そういえばお隣りの韓国。

日本がどれだけ謝っても、「ぜったい許さない。一千年の恨み!」とか言って、ちっともやさしくしてくれない。

韓国には「水に流す」という言葉がないんだろうなぁ。

そして、欧米には「目をつぶる」という言葉がきっとないのだ、と思って調べたらちゃんとあった(笑)。

overlook あるいは close ones eyes

 

例文

The police usually close their eyes to cars parked on the street.

 ( 警察はたいてい路上駐車の車に目をつむる。)

 

そして、「過去の事は水に流せ」という諺(ことわざ)もあった。

Let bygones be bygones.

 

同じ東アジアの中国や韓国より、遠い欧米の方に親近感を感じてしまったのだが、考えてみれば、地理的に近いから仲良くなれるというものでもないんだろう。

国が違えば文化が違って当然なのだが、人としてこう在りたい、みたいな単純なところは人類共通で、それはもしかしたら『やさしい』という言葉が表すものなのかもしれない。

その共通項で付き合える同士が、きっと仲良くなれるのだと思った。国でも人でも、、。

 

「やさしい」って凄いことだ。

明日から、毎日の努力目標にしよう!と思った。


コメントをお書きください

コメント: 4
  • #1

    ぅぉ (日曜日, 14 7月 2019 08:10)

    文化の違い 興味深いですね。 英語なら kind 何て単語もありますが、
    日本語では 優しいの他に 親切とか情が深いとか、厳密には意味は違う
    のでしょうけれど、人に対する、良い感情(行動)と言いますか(これは有る意味と
    付ける必要があるのかなぁ〜)何というか、表現がありますね。

     目をつぶると言う事が必ずしもやさしいではない気もする。 路上駐車は
    キリがないからだと思うw この度の、お隣の国への輸出の話。 ダメなことは
    ダメと言って上げることもやさしさなのかな〜 とか思うけれど、
    やさしさ発揮が遅すぎた感もある。w 甘やかしすぎた。

  • #2

    michiko (月曜日, 15 7月 2019 07:59)

    そうそう、遅過ぎたし甘やかし過ぎましたよ。
    上念さんが、そういう甘やかしは逆に差別です!と言っていましたが、ホントそうかもって思います。
    相手の為とか大人の対応とか言っていた人たちは、今どうしてこうなっちゃったのか、よく考えてほしいです。
    日本は、一度怒るとマジ怖い国だなぁ、、。他の国って、少しずつ小出しに怒ってるよ〜(笑)。

  • #3

    ぅぉ (月曜日, 15 7月 2019 10:08)

    他の国も少しずつではなく本気で怒ってあげないとです。
    某ラオスのダムの件やら、某インドネシアの製鉄所の件やら、
    某UAEの発電所の件やら  いゃ本当に。
    何処かで橋が落ちた案件なんて可愛らしく思えるレベル。

    はい。 話を元に戻して
    さすがわが国 なんでしょうね。
    教育なのか 宗教なのか。
    昔からの、和をもって尊しとなすって概念
    から育ててきた習慣的な何かでしょうか。

  • #4

    michiko (火曜日, 16 7月 2019 15:01)

    ラオスはほんと酷かった、、。
    いろんな所でやらかしてるんですねぇ、、。