路線図

某月某日@某ライブハウス。ライブ後にベーシストさんと雑談。(編集済み)

「田崎さんはどちらにお住まいですか?」

「私は西武新宿線の◯◯です。あなたはどちら?」

「僕は小田急線の◯◯です。」

 

以下、編集なし。

「ふ〜ん....。小田急線かぁ。小田急と言えば、祖師ケ谷大蔵と経堂ってなんかもの凄〜く良いよねぇ。」

「いやいや、祖師ケ谷大蔵とか経堂って、世田谷区じゃないすか。」

「最近、京急線に乗るんだけどさぁ、金沢文庫って駅があるの知ってる?金沢八景もあるんだよ。青物横丁ってのも良いよねぇ。」

「はぁ?( ちょっと何言ってるかわかんね〜。)」

 

意味不明な会話になっているが、この時、私がやや興奮気味に話しているのは、沿線情報とか駅の利便性とか家賃相場とか全く関係なく、ただ駅の名前についてである。

私は、東京の私鉄/地下鉄の駅の名前が好きなのだ。

 

電車に乗ると、なんとなく出入り口の上部に掲げてある路線図を眺める。

整然と並ぶ駅名を順番に見ながらふ〜ん、へぇ〜とやっていると、中に一つ二つ「ん?」てのがある。

あとでwikipediaで駅名や地名の由来を調べてみると、とても由緒ある名前だったりしてほぉ〜と感動する。

 

因みに、祖師ケ谷大蔵の大蔵は、律令制度における官庁の名称から来ている。

延暦期(782~806年・桓武天皇)に、武蔵国守兼大蔵卿・石川豊人が住んでいた土地ということらしい。

祖師ケ谷の祖師は、もちろんお祖師様-日蓮上人である。

祖師ケ谷と大蔵に挟まれるような土地に駅が作られたので、祖師ケ谷大蔵の名前がついた。

我が西武新宿線の上石神井や鷺ノ宮も、調べてみると情緒あふれる歴史があってなかなか良い。

 

山手線や中央線の駅名はあまりに慣れてしまって何も考えなくなっているが、私鉄/地下鉄駅は、それに比べて馴染みのない駅が多くて新鮮だったりする。

 

今年3月から横浜のお店で演奏することになって、京急線に初めて乗った時は我ながらドキドキして心が躍った(笑)。

金沢文庫、金沢八景、青物横丁、、。

八丁畷(はっちょうなわて)や生麦も、相当グッとくる。

生麦はあの有名な「生麦事件」の現場だ。地名の由来は徳川秀忠の時代に遡る。

 

昔の日本人の、名前についてのセンスは驚くほどだ。

いや、当時は普通につけた名前かもしれない。

でも何百年にもわたってちゃんと残って、国や庶民の歴史を伝えてくれている。そう考えてみると、漢字の偉大さにも思いが及ぶ。

 

しかし、電車に乗って路線図をずっと見ながらふ〜ん、へぇ〜とか言ってる人ってかなり怪しい。それも時々ふっと微笑んだりするし....(笑)。

冒頭のベーシストさん。田崎→変なヤツになってないといいけど、、。

 

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コメント: 4
  • #1

    ぅぉ (土曜日, 30 6月 2018 02:23)

    田崎さん、鉄子さんだったんですね。

    しかも新しいジャンル? 名前鉄。  既にあるのかなぁ。

  • #2

    michiko (土曜日, 30 6月 2018 08:55)

    名前鉄子。めちゃ良いですね〜。黒柳徹子にちょっと似てる、、。

  • #3

    マチダ (金曜日, 20 7月 2018 02:04)

    私、墨田区寺島町(現東向島)の生まれ、二十歳ぐらいまで居ました。
    最寄り駅は、東武伊勢崎線で浅草から3つ目、浅草→業平橋→曳舟→玉ノ井。
    ところが、町名変更で寺島町は消滅し東向島へ。
    今では駅名も、浅草→押上→曳舟→東向島となり、路線も東武スカイツリーラインへ。
    淋しいかぎりです。

  • #4

    michiko (金曜日, 20 7月 2018 10:18)

    マチダさん、バリバリの江戸っ子ですね!
    浅草→業平橋→曳舟→玉ノ井とか、浮世絵を見るようですね〜、、。
    町名変更はほんと淋しい。歴史を物語るような名前は、なんとか残してほしいと思います。
    それでも、向島はまだ粋な感じがする、、。なんとなく。落語とか時代劇のせいかなぁ、、。