シャーロック・ホームズ -Part2-

私のミステリー入門は、アルセーヌ・ルパンというフランス人怪盗だった。

( 因みに、アニメの『ルパン三世』は、アルセーヌ・ルパンの孫である。....というか、そういう設定である。)

*アルセーヌ・ルパン

『フランスの小説家モーリス・ルブランが、1905年〜1939年に執筆した推理・冒険小説の主人公。、、

紳士にして、冒険家。変装の名人でいくつもの変名を持つ。貴族の城館や資本家の邸宅などを襲い宝石や美術品、貴重な家具などを盗んでいく大胆不敵な大泥棒。また、脱獄の名人でもある。

一方、善良な者を助ける義賊の性格もあわせ持っており、虐げられた婦人や子供にとっては頼もしい保護者となる。

多くの女性に惚れ、また彼も多くの女性を虜にしているが、作中に描写される限りでは浮気はしていない。しかし、彼と深い仲となった女性の多くは様々な事情で短命であったため、結果的に多くの女性と恋愛をしている。、、』(wikipediaより)

 


小学3年生の子供のくせにルパンに恋していた私は、彼の愛する妻、レイモンドが計らずも敵の銃弾に倒れ、夫の腕の中で息をひきとる場面に号泣する(『奇巌城』)。

この銃を撃った憎き敵こそがシャーロック・ホームズで、この時から彼は完全に悪役認定されてしまった。

もっとも、コナン・ドイルはモーリス・ルブランに、勝手にシャーロック・ホームズの名前を小説で使うな、と厳重抗議したらしい。( いくら人気のキャラクターでも、外国で無断借用しちゃダメでしょ....。あれ?そうすると『ルパン三世』はどうなるんだ?)

結局、モーリス・ルブランの原作では、”シャーロック・ホームズ”じゃなくて”エルロック・ショルメ”に改名されたらしい。( 日本語訳では、ほとんど”シャーロック・ホームズ”のままである。)

 

”正しいミステリーファン”(笑)であるならば、シャーロック・ホームズは絶対に外せない存在だ。

まずホームズあってのエルキュール・ポワロ、エラリー・クイン、ブラウン神父なのだ。まぁ元祖というか別格というか、、。

そのミステリー界の常識に反する変な思い込み--ホームズは悪いやつ--のせいで、長年、矛盾と内的葛藤(笑)にモヤモヤしていたある日、『ヤング・シャーロック/ピラミッドの謎』(1985年・米 )という映画を見た。

 

当時、アメリカの映画界で流行り出したCG映像満載のスピルバーグ映画で、コナン・ドイルの原作とは関係ないインディ・ジョーンズみたいな冒険ストーリーもウケて、かなり話題になった。

「寄宿学校の同級生で15〜6歳の少年」という設定のワトソンとホームズの相棒関係もめっちゃ微笑ましい。

長身・美少年の天才ホームズと、おっとり丸顔・食いしん坊のワトソン、そして若きシャーロックの可憐な恋人エリザベス。

 

そのエリザベスが、宿敵モリアーティ教授の凶弾に倒れ、亡くなってしまう。

なんと、ホームズも、愛する恋人を敵に殺されてしまうのだ!

 

 


愛する人を失うというシチュエーションは、たとえ空想の世界であっても、若い女性にとってなかなかのインパクトである。

あげく、コナン・ドイル原作のシャーロック・ホームズが生涯独身だったのは、このエリザベスを愛し続けたからだった....、という胸キュンなラストのおかげで、長年のシャーロック・ホームズ=悪役認定はガラガラと崩れ落ちた。

 

幼い日のルパンの呪縛からめでたく解放され、またこの頃に、名優ジェレミー・ブレッドの素晴らしいホームズと出会って、めでたく”正しいシャーロック・ホームズファン”になることができた。

私とホームズの関係は、ちょっと屈折しているのだ(笑)。

 

こんな話を友人にしても、胡散臭げに呆れられるだけだから、ずっと心にしまっていた。

 

先日、NHKのBSプレミアムで『ルパンからの予告状〜謎とスリルに満ちた伝説の至宝〜』という放送があった。

( 番組内容:怪盗アルセーヌ・ルパンなら、今どんな秘宝を狙うのか?ルパンの予告状をヒントに謎解きへ旅立つ新感覚アートミステリー!最新の科学分析の数々!ルパンの狙いを見破れ!)

 

この意欲的な(!)番組をたまたま見ていて、ふっと、ルパンに恋していたあの日、ホームズが大っ嫌いだった遠い少女時代を思い出した。

小学校の図書室の木造の本棚と、ちょっとかび臭い本の匂い。

学校から帰ると、宿題もそこそこに本ばかり読んでいた。

 

最近、ミステリー読んでないなぁ、、。

 

『儒教に支配された中国人と韓国人の悲劇』(ケント・ギルバート著)はとっても面白かったけど、どうも私の毎日、夢がなくなってるよなぁ、、。

本を読んでは泣いたり怒ったりドキドキしたりキュ〜ンとしたり、夢見る乙女(笑)だった私がここ数年、中国だ北朝鮮だアメリカだと、なんだかいつも怒っているような気がする。

日本の心配はそれとして、もちっとロマンチックな要素があってもいいんじゃないだろうか?

恋とか愛とか涙とかじゃなくて、なんというか未知のものとか冒険とか驚きとか、、。

 

ふ〜む、面白そうなSF小説でも探してみるか....。

 

***Part3に続く***

 

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コメント: 4
  • #1

    Mycroft (日曜日, 01 10月 2017 00:06)

    日本で2005年に公開された実写版のルパンでルパンを演じた俳優はルパン三世に似ている気がしましたね。

  • #2

    michiko (月曜日, 02 10月 2017 08:11)

    Mycroftさん、ルパン三世・2005年実写版があったんですね!
    ネットで画像、調べちゃいました(笑)。わ、ほんとかっこいいわぁ...と思ったら、あれ、この人、小栗旬さんじゃ、、。2014年の実写版広告でした。
    峰不二子もいい感じです^ ^
    とにかく、ルパン三世は凄い人気なんですね、改めてびっくりしました!

  • #3

    Microft (土曜日, 07 10月 2017 02:21)

    2005年に公開されたのは、ルパン三世ではなくルパンです。「ルパン フランス 実写」で検索をかけると出てきます。ルパンを演じたのはRomain Durisという俳優さんです。もみあげの感じなんかもルパン三世っぽいですからね。

  • #4

    michiko (土曜日, 07 10月 2017 06:14)

    お〜、アニメの実写版じゃなくて、モーリス・ルブラン原作の実写版ですね!
    ルパン生誕100周年を記念して、というのが感動的です(涙)。
    やっぱり、本物のアルセーヌ・ルパンはフランス人じゃないと^o^
    口ひげあるけど、もみ上げはほんと、まさにルパン三世ですね!