ここ4日間ほど、ひどい風邪で寝込んだ。
首の筋と頭が熱のせいでズキズキと痛み、ベッドに倒れこむとそのまま起き上がれなくなってしまった。
風邪で寝込むのは今までにも何回かあったが、今回は、予想外のヘタレ加減に自分でびっくりした。ベッドの中でまるで力が出ない。
寝ても寝てもまだ寝れる。日にちの境目がぼんやりするほど、寝ては醒め醒めては眠るを繰り返し、人間てこんなに寝れるもんなんだなぁ、と痛む頭の中でつぶやいた。
普段はあんなに几帳面に働いてくれていた私の胃腸が、主人が不調となると、とっとと休業を決め込んだ。
わずかな量のおかゆもなかなか食べられなくなった。
ヨーグルトと牛乳と麦茶をやっと体の中に入れた。薬は葛根湯しかない。
去年くらいからみんなに痩せた痩せたと言われ、自分では特に自覚もなかったが、そんなに言うなら、と甘いものを多めに食べて頑張っていたところだった。
努力が水の泡だ....と思ったら、ひどくがっかりした。
まぁそんな事より、1日寝れば治ると思っていたのが二日三日と長くなると、生存の危機がちらつくようになった。これはヤバイ、、とぼうっと考えた。
ちょうど1年前に健康診断をうけていて、どこも異常が無かったから大丈夫だろうとは思ったが、万が一という事もある。
「今のところ心配いりません。」と無愛想に請け合ってくれた、年配の内科のお医者さんの顔を、すがるような気持ちで思い出した。
いざとなったら近くのお医者さんに行けばいいのだ、、。
そう思っても、それは最終の究極の絶望的段階で発生する事象であって、それまでは何としても自力回復を目指す。
私は病院がとても苦手だ。
「参ったね....。」と独り言をぼそっと言ったら、みごとな鼻声(笑)だった。
これはやはり風邪に違いないようだが、一体いつまで絶不調が続くんだろうか。
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約束していた幾つかの用事を思い出して、ベッドに寝ながらキャンセルのメールを打っていたら、少し頭痛が和らいできたのを感じた。
食欲も僅かだが出てきた。胃腸がようやく、ゆるゆると働き出したようだ。
半日そのままゆっくりしていて、夕方になってから、近所の商店街に買い出しに出かけた。
足がふらふらする。
大きなマスクをしたから、面やつれした顔の半分が隠れた。
肉屋のおじさん、パン屋のおかみさん、八百屋のお兄さん、それぞれのお店で、本当に酷い風邪で大変だったとちょっとおしゃべりをした。
「また頑張って太らなきゃ....。」私が言うと、肉屋のおじさんが陽気に笑った。
おじさんの笑顔を見た瞬間、生還した嬉しさがこみ上げてきた。
また最初から始めよう。いろんな事、また最初からだ、、。
両手に買い物袋をぶら下げてゆっくり歩きながら、夕焼けの空をふと見上げた。
晴れやかな気分になった。
う〜む、我ながらドラマチックなエンディングでちょっと笑った、、。
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