記念日というのが何故か苦手だ。
だいたい過去に何があったとしても、日にちまで覚えておかなくてもいいんじゃないかと思う。
大化の改新は645年、鎌倉幕府は1192年、日露戦争は1904年って事で....。
ただ、原爆投下と終戦の日、東日本大震災の日は日本人として絶対忘れちゃいけない!とは思う。あ、あと赤穂浪士討ち入りの日。
記念日とは少し違うが、誕生日というのもなかなか厄介だ。
人の誕生日ははなから覚える気がないので、自分の誕生日を誰かが覚えていてくれると逆にもの凄く驚く。
思うに、数字をメモリーする気力と能力が著しく劣っているのだ。
音楽に携わっていて良かった....。音階は12音しかないから(笑)。
そんな記念日恐怖症の私でもクリスマスだけは別物だ。小さい頃から思い出があり過ぎる。
サンタさんのプレゼントが、熱烈にお願いしておいた物と違ってマジがっかりした事。
父が毎年買ってくる大きな鳥の唐揚げがカレー味で、ちっともクリスマス気分になれなかった事。
近くにあった日曜教会がクリスマス・イブにやる劇で、三賢人の一人の役を貰ったのだが全くの勉強不足で、何がどうなってどうしてそうなるのかさっぱり分からなくて面白くもなんともなかった事。
生まれて初めて男子と雪降る街をデートした事、そしてその彼はもうこの世にいない事。
クリスマス直前に失恋して、イブはカーペンターズを聴きながら大泣きした事。
仲良しの女友達とちょっと高級なレストランでディナーを食べながら、お店の客で女同士は完全に私たちだけで、キャンドルライトに浮かび上がるカップル達の笑顔に超ムカついた事。
クリスマス・ディナーショーの仕事の帰り、終電を逃して大雪の銀座で凍えそうになりながら一時間も長蛇の列でタクシー待ちをした事。
、、なんか苦労してるなぁ、私....。
まぁ最近は、クリスマス関連曲の譜面をそろそろ引っ張りだすかな、と思うくらいで、精神的には至って平穏無事にやり過ごしている。
それにしてもクリスマスの曲は素敵な曲が多い。
暖かくて愛にあふれていて、自然と笑顔になる。
こんな曲が作れるのはきっと、作曲者たちが子供の頃からクリスマスの魔法のような空気を胸の奥深くに吸い込んでいるからだ。
親から子へ、何世代にもわたって受け継がれてきた魔法の空気がたくさんの名曲を生んできた。
ただ、スーパーで長ネギと大根を買いながら『ジングルベル』を聞くと、多少いらっとする時もある(笑)。
新聞の投書欄で、この時期に氾濫するクリスマス音楽を聞きたくないので買い物は宅配サービスにする、という人がいた。
ちょっと分かる気がした、、。
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