天才

19日の東京新聞のコラムで引用されていた、陶芸家の故・加藤唐九郎さんの言葉が興味をひいた。

 

「.......利口であるより継続が大切なんです。そして、その継続の中で、しっかり伝統を受け継ぎ、力をつけて、反逆するんだ」( 山川静夫著『名手名言』)

 

つい数日前、このブログで”沼袋たんどーる” の記事を書きながら、伝統と個性について、そしてこの二つの価値のバランスをとる感性について考えたところだった。

だから、唐九郎さんの言葉を至極納得して読んだ、そして最後の「反逆するんだ」にびっくりした、それからめちゃめちゃ感動した。

 

反逆ー革命、バランス感覚が及ばないような強烈なエネルギーをもつ個性も、地道な努力の継続によって育つ。

天才はひらめきだけれど、芸術家はそれを表現する技術を伝統に沿った努力によって得る。

その積み重ねから独自の新しいものが生まれ、ついには古い既存の価値に革命を起こす。そういうことかな....。

 

かっこいい....凄い.....。

 

天才でも努力なんだから、私なんてとにかくいっぱいいっぱい練習しなくちゃ何も始まらないって事だな。

でも私レベルでも、練習しているといろいろ発見がある。

遠く続く道を、あちこち面白いものを見つけながら一人で歩いて行く....そんな気分だ。

 

さて、東京新聞のコラムの続きだが、伝統を受け継いで努力はしたものの、惜しまれつつも放送終了となった国民的時代劇「水戸黄門」へと話題が移って、視聴率低迷は、新しい個性( 若者に人気の俳優とか... )が視聴者に受け入れられなかったからか、とさびしく思う言葉で締められていた。

 

時代劇ファンの私としては、視聴者が本当に見たかったのは新しい個性なんかじゃなくて、古風で小粋で美的で、日本人が根源的に懐かしく感じる江戸時代的なものだったのではないかと思う。

ストーリーはマンネリでも別にいい。

でも、ただ江戸時代の格好をしただけのスマートな現代人が、粋でもなんでもない台詞を言い合うだけのドラマは時代劇とは言わない。

 

う~、時代物についていっぱい書きたくなった。

眠狂四郎、長谷川平蔵(鬼平)、山本周五郎、藤沢周平.....また後日。